三沢光晴 対 小橋健太
三冠ヘビー級選手権試合(1999年6月11日 日本武道館)

<小橋入場 〜GRAND SWORD〜>
去年の6月12日、川田を破って二度目の三冠についた小橋は高らかに新時代宣言を謳いあげました。「今日からが始まりです。」その言葉に偽りは無く、常に全日本の改革の旗頭として先頭を走ってきました。バーニングのトップとして体を張り、ベイダーとの戦いで、己の魂を磨きあげました。一年前から始まった小橋健太の新時代。革命記念日を明日に控え、これまで、開けることのなかった三沢という名の扉をこじ開け、その先にあるまっさらな大地を踏みしめることが果たしてできるのでありましょうか。 三冠ヘビー級選手権試合。全日マット、改革のメッセンジャーそれが、小橋健太! ブルーのマットに歩を進めます、チャレンジャーの小橋健太。 あの10.31。去年の屈辱をこのマットで晴らすことができるか。 いま、小橋がリングに立ちました。

<三沢入場 〜スパルタンX〜>
65000人の大観衆に見つめられた東京ドームでの三冠戦、三沢政権復活に寄せられた大歓声は全日本プロレス新たなる船出の軌跡にも似ていました。誰もが認めた時代のリーダー三沢光晴。三沢が走り続ける道、それがすなわち新しい王道。防衛回数は三沢時代の道しるべ。王道街道一人旅。全日本の頂上対決!小橋との対決はこれすなわち全日本プロレス。さあ、三沢がリングに立ちました。

<コール>
「青コーナー挑戦者270ポンド コバシーケンター!!」
王道の改革者、小橋健太!
「赤コーナー三冠ヘビー級選手権者255ポンド ミサワーミツハルー!!」
存在、それが王道。三沢光晴、チャンピオン

<試合>
ローリングケサ斬り!
場外でパワースラム!
あぁ場外鉄柵に三沢の肘を打ち付けた!

スピンキックを捕らえた!バックにまわった!ジャーマン投げ捨て
立ち上がって巻き投げた!エルボー!エルボー封じた!バックに回ったハーフネルソン投げっぱなしー!!さあ、小橋チャンス到来!
あっと腕十字に入っている!
ピーンと伸びた!三沢の腕が伸びている!
返せるか!三沢!大ピンチ!
そして小橋の鼻でしょうか、血がしたたり落ちております。
胸のあたりが真っ赤になりつつあります。

場外でハーフネルソンの体勢だ!
ハーフネルソン!場外!

背中を向けている!ムーンサルト決まった!完璧に決まった!
返した三沢!

あっと、マットのないところだ!マットのないところだ!
パワーボムで打ち付けるのか!
上がるか!上がるか!上げた!上げた!あっと、くるっと返した、三沢が返した!!
竹内さん、なんでこんなことができるんですか!
竹内「強引なウラカンラナでしたね〜」

おっと、タイガー!タイガースープレックス!返しました小橋!

上げた!あーっと!タイガードライバー91〜!
覆いかぶさった三沢〜。
いや、いや、2です、2です!カウントは2です!!
いま、グリーンの紙テープが何本も投げ込まれました。
竹内さん、タイガードライバー91を返しましたよ!
竹内「よくたえましたね〜」

40分経過。
あーっと後ろ投げっ放しー!
この距離はラリアットがあるぞ、
走ったラリアット!ヒット!さあ小橋が取るか!
三沢返した〜!

まだ、小橋は握っている!まだ小橋はあきらめない! エルボー三連発!ローリングエルボー!

タイガースープレックス85!さあ、どうだ!
返した返した〜!
竹内さん、どうしたらこの試合決まるんですか!
竹内「もうお互いにどんどん切り札がなくなってきていますねえ。」
この試合を制したものが、まさに王道の覇者になります。
ふらふらになった小橋健太、抱えるぞ!出るか!エメラルドフロージョン!
幻の技復活!チャンピオン三沢初防衛!
ついに出しました、幻の必殺技、エメラルドフロージョン!
もう三沢にはこれしか残っていませんでした!


実況:平川 健太郎(日本テレビアナウンサー)