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川崎糖尿病懇話会30回記念誌発行に寄せて

 

「川崎糖尿病懇話会の活動に寄せて」

聖マリアンナ医科大学 代謝・内分泌内科

              田中 逸

 本年4月1日より聖マリアンナ医科大学内科学(代謝・内分泌内科)に赴任し、川崎塘尿病懇話会のメンバーに加えて頂きました。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

 生活習慣病の予防・治療は悪性腫瘍や精神・神経疾患に対する対策と並んで、21世紀医療における最重要テーマです。平成14年には推計1,620万人が糖尿病の可能性ありと報告されたにもかかわらず、同年の統計では医療機関に通院している糖尿病の患者数は僅か220万人に過ぎませんでした。多くの糖尿病放置例が深刻な合併症を今後起こしてくることは目に見えています。動脈硬化症や細小血管合併症はこれ迄考えられていた以上に早期の軽症段階から発症・進行することが明らかになり、最近ではアルツハイマー病やある種の悪性腫瘍も糖尿病の合併症であるとの研究成果も発表されています。

 このような状況をふまえて、厳格な血糖管理と合併症の発症・進展阻止に向けた診療活動を行うと同時に、川崎市における病診連携・病病連携をさらに充実させるために当科が果たすべき役割を改めて検討すべきと考えております。現在、会社組織によるITネットワークの立ち上げや医療スタッフの再教育システム、1泊または2泊の合併症評価と食事体験の超短期入院などをプランニングしております。また11月から年2回の予定で医師と療養指導士の方向けのセミナーを開始し、ケアネットTVで後日、「聖マリアンナ医科大学糖尿病セミナー」として放映する予定です。さらに私共に何が出来るかを今後も考えてまいりたいと存じます。

最後に、医科大学は教育と診療以外にも研究機関としての役割も担っておりますが、「患者様に本当に役立つ臨床研究」は大学のみでは不可能です。生活習慣病の発症機序解明と新規治療法の開発、その有用性検討には地域全体での介入研究や疫学研究が必須であり、懇話会から世界に向けて質の高い臨床研究の成果を発信出来ることを願っております。聖マリアンナ医科大学に赴任してまだ日も浅い新米ですが、懇話会の先生方には多岐にわたり何卒宜しくご指導とご支援のほどをお願い申し上げます。

 

 「川崎糖尿病懇話会30回記念誌に寄せて」

          宮前平内科クリニック院長

伊東克彦

開業当初から糖尿病懇話会に参加させていただいておりますので,来年で10年となりますが、たいした働きもいたしませんで申し訳ございません。松葉先生,大野先生はじめ幹事の先生方のお仕事ぶりには本当に頭が下がります。このところ自分の診療所経営もまずまずで多少生活に余裕ができてまいりましたので,開業前にやり残した研究を再開したいと思う今日この頃です。

数年前から日本糖尿病学会内の委員会,「日本人におけるインスリン分泌とインスリン抵抗性に関する調査研究委員会(座長:関西電力病院院長清野裕先生)」に所属させていただいき,ほそぼそと勉強を続けております。その委員会で来年発表予定の内容を次の糖尿病学会年次集会でも報告させていただきたいと考えております。以下にその要旨をご報告申し上げます。

目的:インスリン抵抗性はグルコースクランプ法による測定が標準とされているが広く臨床で用いることはできない。他に報告されている方法も問題が少なくない。

方法:食後血糖高値の軽症耐糖能障害例(NGT51GT87,DM89)において,頻回採血75gOGTTの結果を確立された生体内フィードバック系時系列解析法であるVAR法を用いてインスリン分泌反応性とインスリン感受性を算出し,他の既報の方法と比較検討した。

結果:VAR解析法では,空腹時血糖の上昇はインスリン分泌反応性とインスリン感受性の低下と明確に相関する。食後血糖高値の軽症耐糖能障害例においてはインスリン分泌能の低下は明らかだが,インスリン感受性の低下は軽度,ないしインスリン分泌能の低下を補うべく改善している可能性がある。 VAR法によるインスリン分泌能の解析結果は,lnsulinogenic index とよく相関したが,60分の変化率(IRI60/PG60))との相関がより優れていた。インスリン感受性の解析結果は他のインスリン抵抗性を示す指標(HOMA-R, Composite, GIPA)との相関は良くなかったが,今回新たに考案したGDIPG120-PG60/AUC60to120)とは比較的よく相関した。

結論:インスリン抵抗性測定の標準がグルコースクランプ法である以上,新たな方法の妥当性の評価にはクランプ法を用いなければならない。頻回採血75gOGTTの結果をVAR法で解析する本法はその過程を経ていない。一方、75gOGTTの結果を用いてインスリン抵抗性を計算する方法の報告は少なくないが,クランプ法との相関は優れているとはいえない。これにはインスリン抵抗性の解析の素材として経口糖負荷試験結果を用いていることに最大の問題があると思われる。 VAR法においては,解析対象が経口糖負荷であっても経静脈糖負荷であっても個々の血糖とインスリンのフィードバック関係の解析結果は変わらないと予想されるが、これも検証が必要である。

今後,もしもバイオステータをお持ちの松葉先生のご協力をいただければ,VAR法による1.頻回採血75gOGTT2.頻回採血経静脈グルコース十インスリン負荷試験を施行し,その全症例ないし一部症例でグルコースクランプ法を追加し比較検討したいと考えております。後日の懇話会でお願い申し上げさせていただきます。今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。

 

 

「川崎糖尿病懇話会30回記念誌に寄せて」

       東京医科大学ハ王子医療センター

       糖尿病・内分泌・代謝内科 教授 植木彬夫

平成6年に川崎糖尿病懇話会が始まり12年が経ました。この間も糖尿病は増え続け最近の調査では、糖尿病とその予備軍は1300万人も越えようとしています。長い経過と多彩な合併症、そして自己管理が薬物療法以上に重要である糖尿病の治療と管理のために一人の医師が全てを網羅し管理していくことは困難です。糖尿病の治療は、医師を中心に、看護師、管理栄養士、薬剤師、運動指導士、フスフレーガーなどの多くの医療者が、一人の患者の自己管理の遂行のために教育や支援を行って行くことが必要であろうと考えます。また、増加する患者に対して糖尿病専門医と一般開業医との連携や、合併症に対して内科医と眼科医、腎臓専門医との連携なども重要です。糖尿病の治療がチーム医療のモデルとされる理由はここにあります。川崎糖尿病懇話会は12年前に、チーム医療を担う多くのコメディカルのスキルアップと、地域医療連携のネットワークの構築を目指して立ち上がりました。この会が重ねてきた活動は多くのコメディカルの糖尿病に対するレベルを上げてきました。また、川崎地区における実地医家の糖尿病治療に対するボトムアップと専門医との連携を構築してきました。30回に及ぶ懇話会の開催を通じて、川崎地区における糖尿病治療の標準化が進みつつあります。130万市民の少なくとも6%程度が糖尿病であろうと考えられます。それに対して糖尿病の専門病院や施設、療養担当のコメディカルはまだまだ足りません。川崎糖尿病懇話会がこれからの川崎地区における糖尿病治療対策の中心となって活動を続けていくことが、糖尿病における悲惨な合併症を予防し、患者のQOLや生命予後、社会的予後の改善に貢献すると信じています。

 

「川崎糖尿病懇話会第30回記念誌に寄せて」

総合新川橋病院 糖尿病代謝内科

 大 野  敦

 1回の懇話会が開催されたのが平成6年4月7日であり、早いもので12年が経過した。懇話会設立の話を松葉育郎先生から持ちかけられたのが平成5年の秋で、その直後に現在勤めている東京医科大学八王子医療センターへの赴任の話がきて、11月より勤務となったため、住まいも川崎から八王子に引越しした。その意味では、総合新川橋病院に常勤で勤務した時期よりも、八王子に移ってから懇話会に関わったことになる。

 今回懇話会の業績をまとめてみて、平成12年頃までは糖尿病の病診連携に関する学会発表や論文が多く見られる。その中には、内科と眼科の連携や内科と透析施設の連携なども含まれており、現在ほど医療連携のことがまだ一般的でない時代においては、ユニークな試みであったと思われる。当時は八王子での仕事もまだ今ほど忙しくなく、西東京臨床糖尿病研究会の関連事業もそれほど多くない時代であったので、時間的余裕をうまく利用して活動内容を積極的に文章に残すことができたことは幸運であったといえる。また川崎でのこれらの貴重な経験は、多摩地域における医療連携の試みに大変役に立ったことは言うまでもない。

 平成12年から日本糖尿病療養指導士(CDEJ)の制度が発足し、当懇話会でもその制度を支援する活動が増え、懇話会の参加者もコメディカルが急速に増えてきた。CDEJの増加に伴い、糖尿病診療を支えるコメディカルのレベルは確実にアップしてきたが、近々神奈川でもLocal CDE制度が始まろうとしており、さらなる発展が期待できる。

 一方で当懇話会の初期のテーマであった医療連携に関しては、やや影が薄くなってきたことは否めない。しかしながら糖尿病患者の増加は、糖尿病専門医の数の上昇率を上回っており、糖尿病専門医一人一人が抱えている糖尿病患者数は、良質できめ細やかな医療を提供するという意味では、すでに許容範囲をはるかに超えている。その意味ではもう一度原点にもどって、糖尿病患者の有効な医療連携体制の見直しと一般臨床医の糖尿病診療のスキルアップに繋がる活動の構築が必要と思われる。

 

 

「川崎糖尿病懇話会第30回記念誌に寄せて」

おばな内科クリニック院長

小花 光夫

私がはじめて川崎糖尿病懇話会に参加させていただいたのは10数年前に川崎市立川崎病院で糖尿病外来を担当していた時のことでした。本会庶務幹事の松葉先生からご連絡があり、川崎市内の糖尿病専門医の間で病診連携を促進しながら相互にその医療を高めていくこと、コ・メディカルの資質を向上させること、さらには市民に対して糖尿病を啓蒙していくことが目的であるとの説明を受けて、早速に参加させていただきました。その時点では私は病院サイドの医師であり、よもやその後に診療所サイドの医師になることはまったくの想定外でありました。

病院であふれるほどの糖尿病患者さんを診療していると、この方ならば最寄りの診療所の先生でも十分に診ていただけるのではと思われる方も少なくはありませんでした。しかし、超多忙な外来診療の合間をぬってそのようにお話をして、せっかく紹介状をお渡ししてもしばらくすると舞い戻って来られる方が少なかならず見られました(患者さんご自身が紹介を希望された方は別ですが)。その大きな理由としては、「糖尿病をある程度専門にしている医師でないと近くの診療所ではやはり心配である」とのことのようでした。結局のところ、こちらも紹介先の診療所の先生が患者さんに安心感を与えつつ自信を持って糖尿病を診ていただけるか否かまでわからないままに紹介してしまったことが適切でなく、今から考えると反省すべき点であったと思われます。昨今の糖尿病患者さんは混んでいてもやはり自分の病気についてはその専門の医師に診てほしいとの考えが強いようであり、そのためには大病院が一番間違いないと思っているようです。このような大病院志向は確かに最も妥当な判断といえますが、たとえ診療所であっても糖尿病専門医がいれば患者さんに安心感をもって通院していただける可能性は十分にあり得るといえます。

3年前に武蔵新城駅前にて内科クリニックをオープンしましたが、インターネットを見て「専門医がいるため」との理由から、かなりの遠方からでも当院に来られる方が多数いらっしゃることに驚きました。自分自身を振り返ると糖尿病専門医でありながら、まだまだすべての糖尿病患者さんについて自信を持って診られるというわけにはいきませんが、少なくとも病院から紹介された患者さんが再び病院へ舞い戻ってしまうようなことがないように、患者さんに安心して通院していただけるような診療所をめざして毎日の診療にあたっております。これからも、本懇話会を通じて多くの先生方のご指導をいただきながら、また、病診連携を十分に活用して糖尿病患者さんのためのより良い診療所を築いていきたいと考えておりますので、なにとぞよろしくご指導のほどお願い申し上げます。

 

「川崎糖尿病懇話会30回記念誌発行に寄せて」

向ケ丘久保田内科院長

久保田章

懇話会開催が30回目を数えるとのこと。このような集まりを立ち上げ、そして継続、発展してこられたことは、ひとえに顧問および諸幹事の先生方の糖尿病の診療、研究への熱意によるものと思っております。また、その懇話会に参加させて頂いていますことは大変光栄に思っております。医学全体が科学の進歩にともない大きく変貌している中で、糖尿病に関しましても過去10年を振り返っただけでも診断、治療大きく変化しています。そうするとこれから20年後の糖尿病診療は一体どうなっているのだろう、きっと想像も出来ないくらいに大きく進歩しているのだろうと期待がふくらむ一方で、インスリン治療を行っている高齢者が自己管理能力がなくなり(家族も支えられずに、特養等の介護施設でも対応してもらえず)、コントロールが悪くなるのを承知で仕方なく経口薬に変更せざるを得ない例が身近にも出てきていますとこれからの高齢化社会の中で、糖尿病の治療、ケアを支えていく社会的なシステム整備も今後大きな課題になってくるのではと思います。これからも糖尿病診療に携わる様々な職種のスタッフが日々もたらされる糖尿病に関する新しい情報を吸収したり、また様々な諸問題への解決の糸口を探っていけるような、そんな研究会として糖尿病懇話会がますます発展して行きますように、私も微力ながらお手伝いさせてもらう中で、研讃を積んでいきたいと考えています。これからもどうぞよろしくお願い致します。

 

 「13年目の川崎糖尿病懇話会」

東京慈恵会医科大学 粟田 正

今から13年前の平成5年12月,私の学生時代の先輩であり,医局も同門であった松葉育郎先生から、川崎糖尿病懇話会を立ち上げるので―緒にやらないか,とのお誘いがあった.当時私は大学の内科学講座に在籍し,主に神経内科領域の疾病を扱っていた.しかし,元々私達の講座が糖尿病に重点を置くところで,私自身も糖尿病神経障害の臨床と研究も行っていたこと,そして何より先輩の松葉先生のお誘いとあり,二つ返事でお受けした.第一回幹事会は同年1216日に開催され,松葉先生と私の他に顧問の田中剛二先生(高津中央病院),幹事の大野敦先生(東京医大八王子医療センター,総合新川橋病院),高橋裕昭先生(高橋眼科医院)の3名が参加された.当時は,糖尿病診療に役立つ勉強会の企画と川崎市内における糖尿病の病診連携の確立に主眼が置かれていたと記憶している.私は主に神経障害の担当となり,会の企画に携ることになった.その後,大学の派遣人事で遠方に転勤したこともあったが,この会だけは続けてきた.

現在,川崎糖尿病懇話会は特別顧問1名,顧問4名,幹事17名を抱える大所帯になり,活動も年3回の定例会のほか,市民講座,さらには糖尿病療養指導士講習会を開催するまでに至った.そして何より特筆すべきは,川崎市における糖尿病神経障害の実態調査を行い,諸先生方から膨大な量のデータが集まりつつあることである.まさに隔世の感がある.これは,ひとえに発起人である松葉先生の高い企画力,実行力,統率力と彼を支える“女房役”の大野先生のお力の賜物と考えている.今後,本懇話会は定例の事業を継続しつつ,実地に根ざした新しい研究テーマを次々と設け,川崎から全国に向け発信する会に発展してゆくものと思われる.私自身,微力ながらこの懇話会の発展のために今後も尽くしたいと考えている

 

「川崎糖尿病懇話会に参加させていただいて」

川崎幸病院内科

 沢  丞

私が現職に赴任したのは1998年のことでした。富山医科薬科大学第一内科から米国NIHに留学して、そのまま川崎に赴きましたので、勤務地も大学医局の関連でもなく周囲に知り合いがいるわけでも、まったくの独りぼっちで糖尿病診療体制を構築しておりました。まずは顔くらいは覚えていただこうと研究会や講演会にはできるだけ出るようにしました。大学院生時代に東北大学に内地留学した際に指導者から「学会などは道場と心得よ」と教示されていましたので、あれこれ質問をしておりました。別の研究会で質問に立っていたところ、情報交換会で「君は一体誰だね」と声をかけてくださったのが、当会前顧問の齊藤先生でした。小林正教授の門下生であると申し上げると、「川崎に糖尿病の医師の集まりがあるからおいでなさい」と言われて参加させていただくようになりました。そして民間病院の勤務医であるのにもかかわらず、世話人の末席に加えさせていただきました。

 当会は地域に根ざした糖尿病診療の観点から、様々な視点で問題提起や議論をしようとする、極めて希有な集まりだと、参加してみてすぐ分かりました。これは私だけの感想ではなく、特別講演に来ていただいた東京女子医大内潟教授(実は富山での生化学研究室で一緒に実験したことがあります)も同様のことを仰っていて、富山の小林教授も「良い集まりだね」と仰っています。

 糖尿病診療の流れは、私が川崎に来てからも大きくパラダイムシフトしてきました。薬物治療はもとより、医師主導の一方的な「指導」から、コメディカルを交えたチーム医療体制からの「教育・相談」に変わり、延長線上で糖尿病療養指導士制度が出来ました。患者心理や、医療連携など様々なフィールドに糖尿病診療は関わるようになってきました。当会はそれに呼応して、松葉先生や大野先生を始めとする多くの先生方が中心となって、様々な情報発信をしてきたと思います。そんな貴重な実体験をさせていただいていることを深く感謝申し上げる次第です。当会に参加していることで自身も刺激、啓発され、もっともっと切磋琢磨しなくてはいけないと自らを鼓舞する日々です。

 今後とも宜しくご指導、ご鞭撻をお願いいたします。

 

「総合新川橋病院に赴任してからの一年を振り返って」

総合新川橋病院 糖尿病代謝内科

調 進一郎

東京医科大学60年卒業の調 進一郎と申します。総合新川橋病院は週一日の非常勤医を約3年勤めていましたが、平成1710月より常勤医として赴任致しました。総合新川橋病院は植木彬夫先生や大野敦先生が長年に渡り築き上げてきた糖尿病外来があり、そのシステムに魅了されて赴任を希望させていただいた次第です。当地区では各種研究会等が充実していることに驚いています。その中でも糖尿病の研究会の中心的な役割を担っている川崎糖尿病懇話会の幹事の末席に昨年6月より加えていただき感謝しております。丁度一年が経ち、私個人も新川橋病院に慣れ、病院のスタッフも私に慣れ、ようやくスムーズに診療ができる体制が整いつつある昨今です。

最近の数年間で川崎駅周辺も大きく変わりました。先日は西口に大型商業施設「ラゾーナ」がオープンし連日大混雑です。メタボリックシンドローム予備軍の私も体重3キロ減を目標にラゾーナ内のフィットネスクラブに入会しました(一ケ月経ちましたが体重は不変です・・・)。我々糖尿病スタッフも駅周辺の発展に負けじと(?)、平成184月より内科から独立して糖尿病代謝内科を立ち上げ、8月には日本糖尿病学会認定教育施設となる事ができました。 10月からは東京医大後輩の野川深雪先生(平成8年卒業、糖尿病専門医)を常勤に迎え、二人体制となりました。さらに、来年春からは糖尿病の診察室も2つに増え、糖尿病療養指導室や調理実習のできる栄養指導室も外来に併設される予定で、完成を首を長くして待っています。

多くの先生がご指摘なさっているように、糖尿病診療は近隣の各施設との連携なくしては成り立ちません。当地区の糖尿病診療の仲間の一員として少しでもお役にたてますようスタッフと一丸になり努力してまいりますので、今後もご指導・ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

 

 

「川崎糖尿病懇話会30回記念に寄せて」

            日本鋼管病院 内科(糖尿病・代謝・内分泌内科)

 鈴木竜司

1993年に発足した歴史ある川崎糖尿病懇話会に、私が参加させて頂いたのは2003年6月からの事です。まだ川崎での経験年数は浅いのですが、今後、川崎地区の糖尿病医療に微力ながらお手伝いさせて頂きたいと思っております。

さて、私の勤務する日本鋼管病院は、川崎区にあり、川崎駅から海の方向へ2km程の所で、歩くと30分位、バスで15分位の所です。患者さんは、日本鋼管(現在はJFE)の職員が1割位で、他は病院の近所の一般の方々が大半です。糖尿病診療に関しては、昔から糖尿病患者さんは、非常に多かったらしいのですが、慶應大学内科の医局人事で糖尿病専門の医師がなかなか派遣されず、腎臓内科の祝田先生が忙しい日常診療のなか糖尿病患者さんも多く診られていました。私は、3年半前に慶應大学内分泌代謝内科より派遣され、祝田先生とともに糖尿病診療をより充実させられるように、日々努力しております。まずは、2週間のクリニカルパスを用いた糖尿病教育入院を立ち上げ、6人定員で日曜日に入院、翌週の土曜日退院のスケジュールで、絶え問なく回転させています。個別の教育入院を加えるとこの3年間で教育入院は400-500人に達しました。入院中に短期間のインスリン治療で糖毒性を解除し内服薬に切り換えて退院させるケース、罹病期間やSU剤服用期間の長い血糖不良例でのインスリン導入のケース、糖尿病性腎症の進行した例への腎症教育も兼ねたケース、初期軽症例で食事療法や教育中心のケースなど様々な症例に対応しています。また、糖尿病療養指導士の育成にも力を入れて、現在20名を超えるまでになっています。外来では、管理栄養士が常駐しすぐに栄養指導が受けられるようにもなりました。今後は、現在はあまり盛んでない、外来インスリン導入、外来糖尿病教室、糖尿病患者会の活動などにも力を入れていきたいと思っております。また、これまで以上に地域の開業医の先生との病診連携を深めていきたいと考えております。

最後に、川崎糖尿病懇話会では、当院で経験した興味ある症例や臨床研究データなどを、発表させて頂けたらと思っております。また各種企画に協力していきたいと考えております。今後ともよろしくお願いいたします。

 

 

 「川崎糖尿病懇話会記念誌投稿文」

                     たくま幸クリニック院長

詫摩哲郎

幸区小倉で内科医院を開業している詫摩です。新規開業後間もなく松葉育郎先生の御好意で川崎糖尿病懇話会に参加させて頂きましたので、早いものでもう10年近い歳月が経ちました。この間、微力ながらお手伝いもさせて頂きましたが、多くの著名な講師陣による貴重な講演会が毎回開催され、私にとりましても大変勉強になりました。つくづく、糖尿病を専門にし、今川崎で開業していて本当に良かったと感じている次第です。長い月日の間には、残念ながら都合で講演会に出席出来なかったこともあり、例えば酒井シヅ先生の講演を逃した事は今でも侮やんでおります。今後は川崎糖尿病懇話会を優先し、聴講の取りこぼしが無いよう努めて行きたいと思います。そして、大変お世話になった斎藤宣彦先生後任の田中逸先生の御指導の下、これからも川崎糖尿病懇話会がますます発展して行く事を心から願って止みません。これからも宜しくお願い申し上げます。

 

「糖尿病診療のさらなる発展を祈念して」

川崎市立川崎病院  糖尿病内分泌内科

   津村和大

川崎市及びその近郊において糖尿病診療にご尽力されておられる先生方,そして糖尿病療養指導に力を注がれておられる指導士の皆様方に対して心から敬意を表すると共に,現在まで川崎糖尿病懇話会を支えて下さいましたことに対して,この場を借りて厚く御礼申し上げます.また,当懇話会の発起人の松葉先生をはじめ10年余にわたり活発な活動を先導してこられた幹事の先生方から賜りましたご配慮に対して,深く感謝致しております.

私は慶應義塾大学を卒業後,埼玉県・静岡県・三重県の自治体病院や社会保険病院へ勤務し,大学における教育・研究活動を経て,3年余り前より川崎市立川崎病院において糖尿病診療の責任者としての仕事を与えて頂いております.当懇話会では,同じく幹事をされておられる先生方の御助力を仰ぎながら,主に「川崎糖尿病市民講座」の運営に携わって参りました.懇話会を構成する先生方のバックグラウンドは多彩であり,またお1人お1人が大変に豊富なご経験をお持ちでおられ,私にとって非常に魅力的な会でございます.同市民講座の参加者も平成18年度には300名を超える様になり,小花先生,半田先生を中心に細やかなマネジメントを続けてこられた糖尿病啓発活動の賜物と感じる次第です.

申し上げるまでもなく,近年の糖尿病やメタボリックシンドロームに対する市民の関心は高まる一方であります.糖尿病やメタボリックシンドロームに関する情報も耐え間なく流れる時代となりました.問題は,膨大な量の情報が流れる中で,信頼性の高い情報が意外にも市民の手元に届いていないことであります.医療提供者は専門性の高い医学情報の質の向上に努め,メディアは人々が関心を持ちたがる情報をセンセーショナルに流し,市民は自分が本当に欲しい情報であるのかどうかも分からないまま,情報に振舞わされるのです.

こうした中で求められるのは,健康情報の適切な仲介者です.いわば、情報の交通整理人です.糖尿病は,病型によってもその程度によっても大変に異なる様相を示す多因子疾患でありますから,個々の病態から個人の性格・社会背景までを踏まえた対応が不可欠となります.それにもかかわらず,糖尿病診療や糖尿病療養指導に携わる人材が極端に不足しているために,残念ながら的外れな糖尿病教育がなされるケースも出てしまうのです.治療面では15年前とは比較にならないほど沢山の選択枝が揃ってきたこの時代,「1人1人の個性を勘案した糖尿病教育と糖尿病診療」が求められるはずです.

増え続ける需要に対して限られた人的資源をどの様に注いでいくべきなのか? これは大変に重要な課題であります.1つの医療機関における糖尿病診療・糖尿病療養指導のより効果的な在り方を考え直し,1つの地域における糖尿病診療の病診連携の在り方を再構築していく時期にきているのではないでしょうか.

川崎市立川崎病院におきましては,この秋より糖尿病専門外来枠を再編し,また糖尿病教育入院や糖尿病教室の構成の改訂作業に入りました.医師・看護師・管理栄養士・薬剤師などがそれぞれの立場から糖尿病療養指導に対して,どの様に,どこまで関わるのかを考え直しているところです.地域から当院へ求められている糖尿病診療に関するご意見も,ご遠慮なくおっしゃって頂きたいと思っております.また,個人的には京都大学の医療経済学分野において経済評価研究の仕事を継続中であり,国立保健医療科学院の先生と共同して医療情報提供体制に関する共同研究の仕事も始めております.当懇話会の先生方とご一緒しながら,川崎地区ならではのお仕事を創っていくことに微力ながら貢献出来れば,それは望外の喜びであります.今後とも,ご指導ご鞭撻のほど,どうぞ宜しくお願い申し上げます.

 

 「川崎糖尿病懇話会30回記念誌によせて」

                      川崎市立井田病院内科

  半田みち子

川崎糖尿病懇話会が発足して、いつの間にか12年経ちました。この間、年3回の講演会、年1回の市民講座、療養指導士との勉強会などを毎年続けてきました。今振り返ってみると積み重ねてきたものの大きさにあらためて驚かされます。これも松葉先生をはじめとする諸先生方のご尽力の賜物と思います。また私もこのような会の一員に加えていただき大変感謝しております。

この12年間、糖尿病の患者数は増えつづけ、新しい薬やインスリンも登場しました。それに従って、糖尿病の治療も少しずつ変化してきており、まず治療目標が厳しくなったこと、早期から積極的にインスリンを使用することも多くなったこと、などが注目されます。また様々な作用機序の薬物が使用可能になったことから、多剤の併用が当たり前のようになりました。実際これらのテクニックを駆使することにより血糖コントロールは以前に比べかなり良くなってきたように感じます。このような最近の治療についても、この会で他の糖尿病専門医の先生方からいろいろ教えていただき大変有意義でした。

今の日本は美味しいものがあふれており、テレビをつければグルメ番組がはやりです。マスコミもグルメ情報を流すばかりでなく、糖尿病の怖さ、早期治療の重要性などをもっと伝えて欲しいと心から願います。川崎糖尿病懇話会でも市民講座などを通じて、糖尿病の患者さんだけでなく、広く一般の方達にも糖尿病の怖さ、食べ過ぎの弊害などを伝えてゆければと思います。

 

「川崎糖尿病懇話会に参加して」

                              顧問 みかわ医院院長

  三川武彦

川崎糖尿病懇話会第30回記念誌の発刊を迎える事は幹事の諸先生を初め会員各位の御努力の賜物と川崎市内科医会を代表いたしまして心よりお喜び申しあげます。私が糖尿病懇話会にかかわることとなってまだ日は浅く平成15年川崎市内科医会会長に推挙されてからです。私の専門は循環器ですが、本会にかかわり日常診療にて接っすることの多い糖尿病に関する最新の知識を学ばせていただき感謝しております。私の学生時代には糖尿病は、単に血糖が高い、相対的インスリン不足が主な原因であり、如何にこの血糖をコントロールするか合併症を予防するかでありました。現在も基本的には変化がありませんが、より糖尿病の本質に迫ってきている感があります。とくにインスリン抵抗性に関しすでに10年程前よりその事実は認められていましたが、その本質が不明瞭であり、私には難解な問題でした。会合に出席させていただきマルチプルリスクファクター、メタボリックシンドローム等の概念の導入、インスリン抵抗性の重要性が強調され糖尿病の病態、治療への応用がなされていること等を学ばせていただきました。本会はただ糖尿病学問に取り組む場ではなく、治療に参画するコメヂカルである糖尿病療養指導士の養成、市民への発信としての糖尿病市民講座にも取り組んでいることを知り頭の下がる思いです。神奈川県内科医学会にも神奈川糖尿病対策委員会(委員長松葉育郎先生)が活動しております。しかし母体が大きくて本会の様な活動は困難な状態です。糖尿病の治療、対策には医師のみでは不可能であり、多くのコメヂカルの方々、家族、一般市民が一つになって完成される事業です。この点川崎糖尿病懇話会は理想的な団体です。今後ますますの隆盛、発展を祈念し、今後も微力ながら努力させていただく所存です。

 

「糖尿病は誰が診る?」

日本医科大学 武蔵小杉病院 内科

                                   南 史朗

これだけ多くの人が糖尿病になるとは、私が医学生の頃には思い及ばぬところでした。インスリン注射にしても、まだバイアルからインスリンを吸って注射していましたし、インスリン治療を行うのは余程のことでした。糖尿病学会も疫学中心で、現在のような盛況ぶりは見られませんでした。しかし、この20年間ですっかり様変わりし、学問としても、あるいは治療方法にしても、長足の進歩を遂げたと言えます。問題は、医療側がその進歩について行くのがきつい、ということにあるのでしょうか。そして、患者数は順調に増加しつつあります。

このような背景の中、川崎で糖尿病の勉強会を組織的に行うために尽力してこられた方々には、単に慧眼であったというにとどまらず、糖尿病医療への貢献度は比類なきものと、敬意を表します。加えて、糖尿病は医師のみの力では御しがたい病ですから、医療現場のすべての職種の人たちがチームとなって患者に関わらないとなりません。この点においても、本懇話会ではコメディカルを重要視してセミナーを続けてこられました。

私が川崎に来たのは8年前ですが、その頃、懇話会のセミナーに出席して、レベルの高さに驚きました。セミナー内容はさることながら、参加者の意識が高いことに敬服しました。私は、今年から本懇話会のメンバーに入れていただきました。たまたま大学病院に所属していますので、今後も本懇話会が発展的に継続できるよう、何らかのお役にたてればと思っています。

さて、糖尿病を診る医師不足の問題ですが、これだけ患者数が増えると、けっこう差し迫った問題ではあります。大学病院から開業医の先生に転院を勧めるのですが、かなりの数の患者に断られます。その理由として、緊急時の対応と複数科の診療をあげる方がほとんどです。ですから、病診連携による対応をいかにできるかにかかっています。患者が増えなければよいわけですから、糖尿病の予防も大切でしょう。こういった点からも、本懇話会の果たす役割があると思っています。

 

 「糖尿病懇話会30回記念誌発刊に際して」

                      関東労災病院腎臓代謝内科

  杢保敦子

血糖管理の良否は血管合併症の発症・進展のみならず、他疾患の治療成績にも影響を与える可能性がありますが、糖尿病は多くの場合無症状で緊急性を要しないために、患者のみならず医療者からも“たかが糖尿病”と簡単に扱われがちです。しかし実際に糖尿病を“きちんと診療し、患者自身が“きちんと管理していくことは容易いことではありません。

平成16年7月に赴任した当初は、糖尿病は誰でも診ることのできる簡単な疾患としてさまざまな診療科の主治医の治療法によって加療されており、何年も過去にタイムスリップしたかのような状況でした。糖尿病の多くは生活習慣病であるが故、治療成績の不良は過食、運動不足など患者のコンプライアンス不良が原因とされがちですが、診断・治療の見直しや指導方法の工夫により血糖が改善するケースも少なくありません。糖尿病の診療レベル向上のためには、医療レベルの向上のみならず、糖尿病に対しての意識改革と患者自身への教育が非常に重要です。そのため、当院では、まず糖尿病診療や教育に興味を持ったコ・メディカルとともに糖尿病チームを立ち上げ、糖尿病教室や糖尿病教育入院を開始しました。診断の見直しにより1型糖尿病患者数はほぼ倍増し、治療方法も大量のSU剤投与例は減少し、インスリン頻回注射例が大幅に増加しました。糖尿病に興味を持つスタッフも少しずつ増加し、現在15名の糖尿病療養指導士がチーム医療の中心を担っています。患者の意識向上のために、昨年10月には糖尿病友の会が活動を開始しました。

最近は、糖尿病のみならずメタボリックシンドロームなどさらなる広がりをみせており、患者数も飛躍的に増加しています。これらの診療、管理を“きちんと行うためには、地域全体での診療レベルの向上と生活習慣病への意識の改革、チーム医療の充実、医療連携システムの構築が不可欠で、これら全ての面で川崎糖尿病懇話会の果たす役割はさらに大きくなると思われます。これまでに約300人の方が教育入院されましたが、半数は近隣開業医の先生からのご紹介であり、その多くは退院後再びかかりつけ医の先生に御加療いただいております。糖尿病は慢性疾患であり継続的な診療が不可欠ですが、この実現には緊密な医療連携が非常に重要であることはいうまでもありません。

今年9月に糖尿病学会教育認定施設の承認を得ることができ、この2年間で何とか当院の糖尿病診療システムの基礎ができつつあります。今後は、当院での診療が自己流に陥らないよう各先生方にご指導いただきながら、川崎地域での糖尿病診療、生活習慣病診療の向上に少しでも貢献できるよう、取り組んでいきたいと思っております。

 

「川崎糖尿病懇話会の歩みと編集後記」

     庶務幹事  松葉医院院長

松葉育郎

懇話会をはじめた頃と今では、糖尿病診療をとりまく環境は大きく変わってきました。当時は、グルコバイが発売された頃であり、そこから、日本糖尿病療養指導士機構なども整備されて、各地に糖尿病に関わる勉強会が立ち上げられはじめた。患者さんを中心に置いたチーム医療が糖尿病領域で、他疾患にさきがけてシステムとして構築されてきている。

 懇話会を通じて、顧問、幹事、内科医会の多くの先生がたと交流をもつことができて、また、コメディカルの皆さんにも、多くのことを教えられてきたことに、この場を借りて感謝と御札を述べさせてください。

 とりわけ、斉藤宣彦先生には、懇話会の創立時から、絶大なるご支援、ご協力を得たことに、感謝をしており、常に、会をリードしていただいたことに、今日の懇話会がある所以と理解しています。今春からは、田中逸先生を顧問として迎え、これからの懇話会にも新しい飛躍が期待されます。よろしくご指導、ご鞭撻をお願い申し上げます。

 幹事の先生がたは、出身大学は異なりますが、和気藹々と何でも話し合える仲であることに、自分としては幸福を感じており、大野先生のお力も大きく寄与してきたと感謝しています。とりわけ、最近では内科医会との共同研究を実施して、1000人以上の患者さんのデータを収集して、糖尿病神経障害の実態調査をまとめられたことは、研究のできる懇話会にまで成長したことの証であり、さらには糖尿病市民講座も毎年行事として300人以上の市民参加があり、患者さんと交流する懇話会としても定着してきたと考えている。

 小花、半田、津村先生方の努力により、ここまで市民講座が大きくなったのも、素晴らしいことで頭が下がる思いで一杯です。沢先生は、心理面での患者指導などをまとめ、伊東先生は経口ブドウ糖負荷試験によるインスリン抵抗性の検討などを精力的に研究されており、学会発表もされている。研究する、できる臨床医という、私も目指している糖尿病医を実践しておられる。幹事の先生がたは、日常診療の最前線で多忙をきわめているにもかかわらず、いつも、暖かく、懇話会の活動にボランティアとして参加し、協力してきていただいたことに、心より御礼を申し上げます。

 今後のさらなる懇話会の発展を、みんなの力で築いていきたいと心を新たにしております。みなさまのご助力、ご支援をよろしくお願い申し上げます。

 今回、記念誌の編集にあたり、大野、調先生にご尽力をいただいたことに厚く御礼を申し上げます。

                                                                                                                        
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