スパコンの歴史

 A. 過去にはスパコンというと、 ベクトル計算機
であった。 代表的なスパコンは、アースシミュレータである。
NEC社ベクトル・スパコンの歴史は

 ・ 平成14年6月、海洋科学技術センターとNEC社はアースシミュレータの運用方針などを、報道機関向けの説明会を開催した。
アースシミュレータはスパコンの性能をテストする、世界標準ベンチマーク「Linpack」で35.61テラflopsの世界最高演算速度を記録した。この結果、米国に「Computenik」という1957年のスプ-トニック・ショック並みの衝撃を与えた。用途はアースの名が示すように、50%から55%が地球大気や海洋シミュレーションに、10%が計算科学の研究に、15%が他の分野に使用する方針。地球温暖化やエルニーニョ解明につながる。

 ・ 平成14年10月、NEC社はベクトル型スパコンの新モデル「SX-7」を発売した。特徴は、共有メイン・メモリをSX-6の4倍の256GB(Max)に拡張したこと。シングルノード・システムでの最大演算性能は282.5ギガflops、マルチノ-ド・システムでは18テラflops(Max)の演算性能。

 ・ 平成14年11月、米国クレイ社はベクトル型スパコン「Crai X1」システムの1号機を年末に出荷すると発表。
12.8ギガflopsの性能を持つプロセッサーを複数搭載し最高で52.4テラflopsの演算性能を持つ。海外報道筋によると、Cray X1チップはCray社が設計し米国IBM社が製造したらしい。試作機レベルのCray X1は5台生産され、米国海軍高性能コンピュ-ティング研究センターとある顧客の導入検査に合格済みとのこと。また、スペインの国立気象研究所も、840万ドルの複数年契約の発注をした模様。

 ・平成14年11月、アースシミュレーターはSC2002において、「2002年ゴードンベル賞」を受賞した。

 ・平成15年9月、NEC社はベクトル型スパコンの「SX-6]のモデルチェインジを発表した。キャンペーン特別価格は¥1,325万とのこと。

 ・平成16年10月、NEC社は世界最高速スパコンNo.1の地位を取り戻した。IBM社Blue-Gene/Lで一時的に奪われた世界No.1の地位を「SX-8」を、最大512台連結し58Tflopsを可能とした。価格は500〜600億円。 英国気象庁やドイツのシュットガルト大学から受注済みらしい。MPUは線間90nmの特製の科学技術科学計算専用CPU。 IBM社の今後の出方が楽しみ。 世界最高速コンピュータのTop争いが激しくなり、NEC社対IBM社というより、日米の国家の面子をかけた競争に新たに中国も参戦した。とても興味深い。 SC2004が11月に米国ピッツバーグで開催されるが発表結果が楽しみ。
(SC2004開催に合わせてIBM社はBlue Gene/Lにて70Tflopsに成功したと発表)

 ・平成16年11月、海洋研究開発機構の研究チームは、ゴードン・ベル賞を受賞した。 アースシミュレータをを使い地球磁場の起源を解明した。

 ・平成16年11月、NEC社SX-6について http://SX-6

 平成16年12月、NEC社は「SX-7」が「HPCチャレンジベンチワーク」で世界最高速を達成したと発表。 評価内容は
1 HPC: Linpack-HPCと同等連立一時方程式で演算性能評価。
2 PTRANS: 行列の転置でネットワーク(プロセス)間の転送性能評価。
3 STREAM: シングル環境と多重負荷時のメモリー性能評価。
4 Random Access: シングル環境と多重負荷時のメモリのランダムアクセス性能およびプロセス間のデータアクセス評価。
5 Latency、Bandwidth: プロセス間のアクセスの立ち上げ時間よるネットワークの評価と、ノード間の転送性能(バンド幅)評価。
6 DGEMM: シングル環境および多重負荷時、行列積の演算性能評価。
7 FFTE: 高速フェーリエ変換の演算性能およびシングル環境、多重負荷時のト-タル性能。
今回のベンチマークは東北大学が登録したSX-7のシングルノードで実測したもの。

 ・平成16年12月、NEC社SX-8につて http://SX-8

 ・平成17年4月、NEC社は、大阪大学へプラズマ応用のSX-8を納入した。 http://大阪大学

 ・平成17年9月、NEC社は、小型のスパコン「SX-8i」を発表。160億回/秒の演算速度でOSは従来通りのSUPER-UX。価格は最小構成で\1200万円からで、今後3年間で300台の販売を見込む。

 ・平成17年11月、NEC社は、電力中央研究所からスパコンを受注したと発表。ベクトルスパコン「SX-8/8A」24台とItanium搭載のブレードサーバー「Exprss5800/1020Ba」52台の混在システム。http://電力中研

 ・平成18年7月、 国立循環器病センターによるNEC社SX-6によるバーチャル心臓シミュレーション http://iバーチャル心臓

 ・平成18年9月、 NEC社は、France気象庁にSX-8シリーズを納入 http://sx-8

 。平成18年10月、NEC社は世界最高速のベクトルスパコンを「SX-8R」を発表。最大144テラflops. http:/SX-8Rl

 ・平成19年1月、 米Cray社は、ペタflopsのベクトルスパコンをつくり「PCクラスターを駆逐」する計画。 ベクトルスパコンの復活か? http:/駆逐
 
 ・平成19年6月、NEC社は、情報通信研究機構にSX-8Rを納入。リアルタイム地球磁気圏シミュレーション用。 http:/ SX-8R

 ・平成19年7月、NEC社の「ユーザーニーズに合わせた多機能な端末機器を実現できる並列プロセッサー仮想化技術」 並列仮想化l

 ・平成19年10月、NEC社はSX-9を発表。Single Coreあたり102.4Gflops  SX-9 ベクトル型で世界一 首位奪還? 
 News
 ・平成19年10月、東北大学からSX-9受注 東北大学

 ・平成20年3月、JAXAからSX-9を受注。 JAXA

 ・平成20年5月、NEC社は時期地球シミュレーターを190億円で落札。 落札




NEC社のベクトルスパコン  http:/ NEC
NECスピッリツ「世界最速への果てしなき戦い」スパーコンピュータ 果てしなき戦い



B.ベクトルスパコンが高いので、並列型へ転換した。 地理的に離れた筐体入りのPCを接続する方式=グリッド型、サーバー等を19インチのラックにまとめて並列=クラスター型、マザーボード上にMPU゚を多数、搭載する=マルチCPU型、MPU IC内に複数MPUを搭載=マルチコア型(DualやQuad )等がある

 ・平成13年10月 Real World Computing Project(RWCP)が終了した。通産省の新情報処理開発機構研究所のもとに、電機、ソフト業界を中心に16社が参加し、国の研究所などと70件にわたるテーマを研究した。総額500億円を10年間に投入したが、14件のプロジェクトが実用化の見込みである。すぐに役立つ技術の開発は成功し、世界の大学や研究者に貢献したといえる。この様な公正な技術開発プロジェクトは世界各国から大いに歓迎されて、人類の幸福発展におおいに寄与したといえる。

 ・ 平成14年9月、中国パソコンの大手の連想集団社(Legend)は、ピーク時、2テラflopsの演算速度をもつスパコンを開発したと発表。 中国で1テラを超えるコンピュータの生産は初めてで、世界コンピュータ・ランキング(6月発表)でも、演算速度で24位でる。

 ・平成15年7月、中国のスパコンメーカーの曙光情報産業公司社は米国AMD社と今月24日、契約を結んで、来年3月をメドに10テラ以上の演算速度を性能を持つ、スパコン「曙光4000A]の開発プロジェクト「レッドグレッド」を開始したと発表。 AMD社「オプテロン」を2000個ほど、搭載するクラスター・システムでサッカー場の4分の1程の大きさとなる。用途としては、遺伝子の構造解析などに使う。中国政府は高性能コンピューターの開発を、国策の一環として支援している。 パソコンに次いで、スパコンも中国(含む台湾)の天下となるか

 ・平成15年7月、米国、国防省高等研究計画局は科学用「高性能コンピューテイング・システム・プログラム」HPCSの第二段階の参加企業としてSun社、IBM社、Cray社の3社に総額1億4600万ドルの奨励金を支給した。我が国のアースシミュレーターが米国に与えた衝撃「Computenik」を米国政府がどのように巻き返すのか見もの。

 ・平成15年11月、米国エネルギー省は米国が今後20年間で優先する大型研究開発計画を発表。No1は地上に小型の太陽をつくるITER。 No2はスパコン開発。現在の100倍速いスパコンを創り世界1を奪還する。

 ・平成16年5月、米国ローレンス・リバモア国立研究所は、「アースシミュレーター」に次ぐ世界第二位の実行性能19.94テラflopsのシステムを開発した。1024台のサーバーをLinuxで稼動。

 ・平成16年10月、日立社は、国立極地研究所からHITACHI SR1100モデルJ1を受注した。ノード当り16個の1.9GHzのPOWER5を搭載し、最小構成は4ノードから最大512ノードでピーク速度は62.2Tflops。 OSはAIX 5L Unixで価格は2.7億円。

 ・平成16年11月、中国のスパコン「曙光4000A」が10テラflopsで稼動開始した。下記を参照
 http://曙光4000
 核拡散防止条約はいまでも有効か?

 ・平成17年5月、GGF(The Gobal Grid Fourm)のマーク・リネッシュ議長は、「グリッドに幻滅するのはまだ早い}とコメント。新技術が登場し始め当初は爆発的に普及するが、しばらくするとその技術の未熟さ故に市場は幻滅することらしい。乗り越えられるか?

 ・平成17年6月、富士通社は、2010年にピーク性能3ペタflopsで実行1ペタのスパコン開発に乗り出した。頑張れ国産スパコン!富士通

 ・平成17年7月、文部科学省が京速コンピュータプロジェクトをスタート。 http://京速

 ・平成17年7月、中国科学院計算技術研究所と曙光公司は、毎秒100兆回演算が可能なスパコンの開発に乗り出す。昨年開発した「曙光4000A」の10倍である。完成は2008年の北京オリンピック前の予定。

 ・平成17年9月、激烈を極めるスパコン開発。 http://オー猛烈

 ・平成18年2月、NEC社は、オンチップ光配線を実現させる要素技術を発表した。将来のマルチコア型MPUのコアが抱える高速接続を実現させる。 http://光配線

 ・平成18年3月、NEC社は、40Gビット/秒光ファイバー通信網用のLSIを開発。 http://40GビットLSI

 ・平成18年3月、NEC社は、世界高速の25Gビットの面発光レーザーを開発。 http://レーザー

 ・平成18年3月、富士通社と横河電機は100Gビット イーサネットの共同開発をする。 http://共同開発

 ・平成18年4月、NEC社は、「LSIチップ内の光配線を実現可能にするSiナノフォトニクス基本技術」を開発。 http://光
  http://配線

 ・平成18年6月、東京工業大学の「Tsubame」がTOP500の世界7位にランクイン。 http://第七位

 ・平成18年6月、筑波大学のPACS-CS。 アースシミュレータに次ぐ国産2位のスパコン。14.3テラで開発費22億円

 ・平成18年 9月 , NEC社は20T/秒の光ー電気 変換モジュールを開発。 http://変換

 ・平成18年9月、米Texas大学は、400テラflopsのスパコンを2007年に導入予定。AMD社Quad・Coreを1万3000個搭載。 http:/Texas/

 ・平成18年10月、東京工業大学松岡聡先生は、tsubameの clear speedtechnology 社をチューンUPして47.38テラflopsまでUpした。 http:/clearUp   Clear speed社はhttp://ClearSpeed

 ・平成18年11月、 Cray社の次世代機「Cray XT4」を出荷 http:/XT4

 ・平成18年11月、米SiCortex社は、MIPS 6Coreプロセッサーに通信機能を付加したチップを972個搭載したスパコンを発表。 http:/SC06   http:/MIPS社  http://sicortex

 ・平成18年11月、 NEC社はメインフレームに続投する。 Itanium2のACOS 「i-PX9000」  http:/続投

 ・平成19年1月、米Cray社は、ペタコンを発表。「スパコンでPCクラスターを駆逐」 http:/駆逐/

 ・平成19年3月、 東京大学素粒子物理国際研究セrンター内へ、日本最大級1300個Dual Xeonクラスター。 http:/1300/ 納入はhttp:新日鉄ソリューション社

 ・平成19年3月、 富士通社は、九州大学情報基盤センターからスパコンを受注。 http:/PRIMEQUEST

 ・平成19年7月、森精機社は、米国の開発拠点にLinuxスパコンを導入。  http:/ 森精機社
  Linuxと高性能スパコンは http:/ Linux

 ・平成19年7月、マイクロソフト帝国の逆襲   http:/ 逆襲

 ・平成19年11月、米Cray社は、米国国防省高等研究計画局DARPAから2億5000万ドルの契約を締結。 Cray

 ・平成19年11月、スーパーコンピューターの権威、Dan Reedがマイクロソフト社入り。 Dan Reed

 ・平成19年12月、東大、京大、筑波大の「共通仕様スパコン」 共通仕様

 ・平成20年1月、日立社は、東京大学からスパコンを受注。東京大学

 ・平成20年2月、富士通社はJAXAから新型スパコンを受注。 JAXA
           京都大学からも受注。 京都大学

 ・平成20年6月、 京都大学のT2Kスパコンが稼動。富士通社Newsから。 T2K

 ・平成20年6月、 東京大学の「HA8000-tc/RS425」スパコン。 日立社Newsから。 82.98TFlops

 ・平成21年7月、 富士通社は、日本原子力研究開発機構から高性能スーパーコンピュータシステムを受注。 原研

 ・平成20年11月、 米SGI社の「Atom」スパコン。 Atom

 ・平成20年6月、 マルチコアCPUでプログラムが変わる。   変化

 ・平成20年6月、スパコン市場で躍進を狙うマイクロソフト社の戦略とは? 戦略


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